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小西 哲之; 時松 宏治*
プラズマ・核融合学会誌, 78(11), p.1192 - 1198, 2002/11
今世紀後半の核融合エネルギーの寄与を、エネルギーモデルを用いて評価した。核融合の経済的なインパクトは、将来のエネルギー支出の削減,エネルギー市場での売り上げによるGDPの増加,核融合発電関連機器の売り上げの面から評価できる。エネルギー市場での核融合のシェアは、導入時期により大きく異なり、導入時期は核融合が市場での競合可能となるコストを達成する時期によって決められる。この競合可能コストは、他のエネルギー源に対する環境制約の影響が大きい。モデル計算の結果、核融合は環境制約のある場合には大きな市場可能性を持っていること、ことにエネルギー需要が大きく増加する途上国地域への機器輸出の効果が大きいことが見いだされた。この経済効果と比較することにより現在の研究開発の意義を分析することも可能であるが、将来価値は割引率により現在に換算すると大きく減ずる。